えいしゅんのブログ

1988年生まれ。気づいたことや学んだ事を記載します。

池上彰氏著『おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?』NHK出版新書

タイトルの書籍を1週間ほど前に読了しました。

気になった点、なるほどな、と思った箇所を列挙します。

 

~序章~ 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?

p.30『すぐに役に立つことは、世の中に出て、すぐに役に立たなくなる。すぐには役に立たないことが、実は長い目で見ると、役に立つ』

 

~第一章~ 宗教

p.74『歴史を振り返っても、そして今現在においても、宗教間の争いは絶えることがありません。しかしその争いをよく見ると、宗教そのものの違いによる争いはほとんどありません。実は宗教の争いも、よく見ると土地や資源をめぐる争いなのです』【宗教紛争の本質】より。この節ではこの文章以後、パレスチナ問題や北アイルランドの紛争を取り上げます。

 

~第四章~ 人間と病気

p.132『いったいなぜ冬になると、人々が高熱を出して死んでいくのだろうか。当時は占星術が力を持っていましたから、その原因を星の動きと結びつけました。冬の星座が出てくると、そういう症状の人たちがいっぱい出る。きっと星の影響で病気になるんだろう、と。「影響」をイタリア語で「インフルエンツァ」といいます。この言葉がイギリスに入り、英語としてインフルエンザとなったわけです。英語でも「インフルエンス(影響)」という単語がありますが、語源は同じです』【「インフルエンザ」の語源を知っていますか?】

p.142『なぜ、中国の南部農村地帯で新しいインフルエンザウイルスが次から次えと生まれるのか。それは中国の農村地帯では、人間と豚が同じ屋根の下で暮らしているからです』【中国農村部で新型ウイルスが生まれる理由】その後、豚から人間へとウイルスが伝染するメカニズムが説明されています。

 

~第六章~ 歴史

p.181『キリスト教天皇制も、いわば歴史の「勝ち組」です。そうすると、歴史とは常に勝者によって描かれてきた勝者の物語なのではないか。このように考えることができると思います』【歴史として残るもの、残らないもの】言われてみれば確かに。消されてきた歴史は星の数ほどあると思います。

p.184『四大文明のように歴史に刻まれているのは、文字やパピルスなど、さまざまな記録手段を持つことができた文明です。つまり、文字と紙が発明されることによって、知見の蓄積が生まれ、その蓄積にもとづいて、文明が発達していったのだと思います。』【なぜ四大文明は歴史に刻まれたのか】文字と紙、これまでの先人の知識、経験を蓄えることで文明が発達したんですね。

p.190『でも、史実を覚えることはは歴史にとって本質的なことではありません。出来事と出来事の間に、どういう論理や因果関係が見て取れるのか。残されている史料を読み解くと、どういう出来事があったと推測されるのか。』【「歴史の真実」は変わる】これが歴史を学ぶことの面白さであり醍醐味だと思います。

p.196『歴史とは勝者が描いたものであると同時に、その時どきの政治の事情や都合によって、見直され書き換えられるものなのです。』【政治的意図による歴史づくり―中国の例】中国の例もありますが『聖書』や『古事記』の例を挙げて勝者の論理が後世に残されることを述べています。

~第七章~ 日本と日本人

p.218『第一次世界大戦はヨーロッパが戦場になってしまったために、当時、世界から日本にさまざまな注文が来ました。日本は大量の商品を一刻も早く納入しなければいけないから、商品の質は二の次でした。たとえばワイシャツのボタンは糊づけされているものがあったといいます。ワイシャツを着ようとすると、ボタンがバラバラと落ちたのです。』【メイド・イン・ジャパンは「安かろう、悪かろう」の代名詞だった】そんな時代を経験し第二次大戦後の高度成長期に名実ともにものづくりの実力をつけていきます。今の中国製の品質を馬鹿にできないと思います。中国製品も確実に品質を向上させてくると思います。

p.221『今、中国はアフリカにさまざまな援助をしています。でも、中国が道路をつくろうとする場合、アフリカの人たちに建設作業を任せると、能率が悪いし出来上がりも良くないで、中国人を連れてきてしまう。中略、つまり、道路は建設されるけど、地元のアフリカ人にはほとんどお金が落ちません。日本が海外に支援をする場合、必ず地元にお金が落ちるような形で行います。だから、日本は好かれているといことを海外に出ると実感するのです。』【海外で愛される日本】シンガポールに住んでいたときに感じたのは昭南島時代のことをよく思っていない人がいること。その一方で今のシンガポールがあるのは日本の経済的援助があったことを理解している。アフリカと日本の関係性と東南アジアと日本の関係性では異なると思いますが、日本が支援をした事実や実績は無くならないと思います。

p.226『現代に生きる私たちにとって、知識の重要さもそこにあります。単に受け取るだけではなく、それを現代に生かし、よりよい社会をつくり、より良い人生を築いていく。それがリベラルアーツというものの価値なのです。』【他社との関係から自分・自国を認識する】

 

気になる点を抜粋して気づいたのは、『第二章 ~宇宙~』『第三章 ~人類の旅路~』『第五章 ~経済学~』の各からは何も抜粋がなかったことです。特に『第五章 ~経済学~』から何も無かったのは少し驚きでした。

一方で自分の心の中では、歴史についてとても興味を持っていることに気づきました。

次は歴史に関する書籍を読もうと思います!